【山行報告】飛騨 荒城川、沢上谷

山域:飛騨 荒城川、沢上谷(ソウレダニ)
日時:7月16・17日

川村さんから珍しくお泊りの沢のお誘いをいただく。
「沢上谷行ったことあるか?」
「ありません」
沢上谷は“ナメの綺麗な沢”とは聞いてるが、ザイルも出さないというのでイマイチ興味が湧かなかった、が新人さんを連れて行くには丁度いいかも。

7月16日
メンバー:川村、浅瀬、(Y村)
川村さんのお知り合いのY村さんの初沢。
Y村さんは、北陸雪崩講習会にもやはり川村さんのお誘いで参加したことがあり、ちょっとだけ面識はあります(班は違いましたが)。
聞くと、友達と白山などの夏山には行っているとの事。
「Y村を、めっこに入れようとおもっとるんや」(川村)
これは沢の魅力を堪能してもらい、是非ウチに入会してもらいましょう。

鼠餅の県道分岐に気づかず通り過ぎ、さらに沢上谷の入渓ポイント・終了ポイントを偵察し、荒城川への道に迷ったりなどして、時間はどんどん過ぎる。
ようやく荒城川への林道に車を乗り入れ、ゲートを出発したのは既に9:25。おそっ

ゲート前には車が多い。荒城川、有名なのねー。
ゲートから林道を1時間歩く。
暑い中の林道歩きはヘトヘト、隣には涼しげな沢が流れている。
小さな橋があり、これが地形図の分岐かな?と判断して荒城川右俣に入渓。
ここで間違えて入渓

赤っぽいナメ床が迎えてくれる。
涼しくて気持ちイー

とテクテク歩いていくと、また橋にぶつかる。
なんだこれ?と思ったら、どうやら間違えて手前で入渓してしまったようだ。まあいいでしょう。
荒城川は、岩盤の発達した初心者向けの癒し系。
ナメ床を堪能しながら、
「沢を知っちゃったら夏に稜線を歩く気無くなるよ」
小さな淵ではひと泳ぎ。
「今年の初泳ぎだっ!」
水がキレイです♪ジャバジャバ

小さなハング滝は滝裏に潜り込んでみる。
「わーこんなの初めてです」
途中の小滝で初心者のためにチョロッとザイルを出す。
「どや、素人ではこんなとこ行けんやろ」
と、これでもか!とばかりに沢の面白さ、楽しさを堪能してもらう。
ナメ床にさわさわとした流れ。癒されます

そして最奥はナメの廊下でとどめ。
ほんと、初心者向けの沢ですわ、ここ。

「さわわらし 其の6」の記録のように、林道に上がり、左又を下降するつもりが、思ったよりも時間が押してきたためこのまま林道を下山する事に。
しかし、側壁は崩落し、草木は生い茂り、踏み跡もままならず、この林道が思ったよりも荒れ荒れで難儀。
入渓時間さえもう少し早ければ、左又下降の方が楽しかったろう。

場所を移動し、今夜のお楽しみの焚き火の準備。
薪には事欠かず、アレヨアレヨと山のように集まった。ワクワク
早速火をおこし、焚き火にビリー缶を乗せてお湯を沸かし、炙ったウィンナーを片手に沢で冷やしたビールで乾杯!!
プハーッ、ウメー!
焚き火を前に、今日一日の沢の語らいと、質素でおいしい料理を楽しむ。
ふと顔をあげると沢には蛍が飛び交う。
沢の夜は焚き火で更けていくのです

夜半、遅れて中村さんが合流し、メンバーが増えたことでさらに楽しく夜が更けていくのです。


7月17日
メンバー:川村、浅瀬、中村、(内島、Y村)
沢の朝も焚き火から始まる

朝、合流してきた内島を加えて、計5名。
終了点の橋のたもとに車を1台移動してから、沢上谷に入渓。
早々に左支流へ「五郎七郎谷」の観光のため寄り道。
しばらく行くとナメ滝をさわさわと流れ落ちる「五郎七郎滝」に出会う。
「とりあえず流しそうめんしよか」といいたくなる涼し気な気持ちのいいナメ滝。

と、ここに中村さんが果敢に取り付き登っていく。
ガンバ!     しかし、その後・・・

しかし、「ガンバ」のコールもむなしく、トラバース中にズリズリ落ちて肘を擦りむいてしまう。
(服の肘を破いた方がショックだったかな?)
沢上谷の本流は噂に違わずナメ天国。
昨日の荒城川といい、この周辺は岩盤が発達してるねー。
小さな淵があったので、今日も泳いでおきます。
バシャバシャ、気持ちいいっ
と楽しく沢上谷を詰めて、ついに「蓑大滝」とご対面。
幾星霜の歳月を刻み流れる蓑大滝。その前ではしゃぐ我々

これはスゴイ!
蒼天をバックに60mの1枚岩に白い瀑布がかかる。
自然が作り出す造形、畏れに似た感覚に息をのみしばし立ちすくむ。
「すご・・・」
しばし蓑大滝の前で休憩。
右手の立派な巻き道から杣道に上がって、残置ザイルを使って滝上に下り立つ。
「折角だし、ザイルで確保するから落ち口を覗いてこい」
「肩絡みですか?」
「大丈夫だって、止めるから」
(「不安です・・・」)
このナメ床は何かのキセキ?イタズラ?

もう一つ小滝を越え(右手ザイルフィックスあり)、あとはパジェロで走れそうなナメの廊下をお喋りをしながら、終了点の橋に到着。
「しばらくゴーロを行くと、また広くなってるし見てこい、ワシ行かんけど」
という川村さんを残し、4人で先を偵察する。
ゴーロの先はナメ。さっきからさんざん見て歩いてきたのでちょっとお腹いっぱい。げぷ
「走れそうなナメの廊下ですね」
ムム、それは走れということか?とダッシュで橋に帰る。