【山行報告】佐藤クンの山行報告(2)

もう、春ですね。週末と20日の報告です。

3月17日
不帰2峰西壁目指し、雨のような湿った雪降るの中、八方尾根を登る。上部はかなりの強風。唐松小屋脇に雪洞を掘る。かつて無い程にウエアが濡れフリースは手で水が絞れそう。化繊のインナーパンツ、ジャケットを持って来ていたので、フリースの上下を放棄した。

3月18日
昨日よりは大分ましだが、視界無く散々迷いながら取り付きに付いたのは出発から3時間も経ってから。湿った雪と強風の為壁には、エビの尻尾がビッシリと張り 付き雰囲気は素晴らしい。
侮れ無い2ピッチを登り核心の3P目。傾斜がとても強く張り付いた雪でオリジナルと思われるラインは摂理もエッジも全く見えず登れそうに見えないしプロテクションも悪すぎに思えた。左よりのクラックから登る。傾斜は更に強くなってしまうが、クラックでプロテクションは取れそうだ。 被ったクラックをかなり攻めたクライミングで真横トルキング等しながら、なんとか登り草付き&ブッシュに辿り着いたが、ここからもとても悪く手もパンプ。
アックステンションしようと思ったが躊躇してる間にフォールしてしまいました。2週続けて冬壁フォールって。。。すぐ下のカムにぶら下がった。
その後エイ ドでブッシュに上がるも、傾斜の落ちたスラブフェース部分が予想以上に悪くプロテクションも取れ無いので敗退。視界も無く夜になったら雪洞まで戻るのもヤ バイと不確定な他ルートからのエスケープ(登攀)を諦め、取り付きへ懸垂。稜線まで登り返す。風雪+最後は雨でずぶ濡れになりながら夜の八峰尾根スキー場 を快適?に尻セードで下山。

不帰2峰西壁 エビの尻尾ビッシリ

3月20日 ヤング?クライマーズセックン
八ヶ岳のアイスフェスで知り合ったクライマー(セクシー登 山部・舐め太郎さん)との繋がりで、若いクライマー達と錫杖で登る企画をしました。1週間位で20代前半を中心とした8人の若者が集まり、「アルパイン志 向の若者も、居る所にはいるんだなあ」と実感。若者8人とWCM経験者のそんなに若くない4人の総勢12人(4パーティー)で、錫杖北東壁を登攀。

昨日のずぶ濡れ装備を1日で乾かし月曜日の夜、集合場所の上宝道の駅へ向かう。
飲みながら山の話に盛り上がってから就寝。情熱溢れる若者との話はやっぱり面白いですね。
今日のパートナーは岩手から参加のT君と京都のK君。
目標は、北東壁の右ルンゼ(氷柱)のすぐ脇にあるぶったちチムニー。先日P4北壁からカッコよ く且つ難しそうに見えていた物。キャメの5番やでかいトライカムをぶら下げて1P簡単な氷雪を登り取り付きへ。
下部はチムニー状の部分が多いので傾斜をこ ろせるが明らかに被ったクラックに若者はビビリ、「佐藤さんどうぞリードしてください」となる目論見だったのだが。。。異様にヤル気ある若者2人とリード ジャンケンする羽目に。しかも負ける。なんてこった!
岩手から11時間かけて駆けつけてくれたT君がリード。しかし、ベルクラ+フレアーしたチムニーで行き詰まりロワーダウン。
2回目のジャンケンは気合で勝ち取り、めでたくリードすることに。いやー見た目通りの登り応えある素晴らしいクライミングでした。中間部のスクイズチムニーでは完全に体がハマリ一度クライムダウンしてから引っ掛かるものをラックし直して登攀。上部もフッキングしたりジャミ ングしたり変化に富んだ楽しいクライミングでした。もう1P登って雪の稜線へ。烏帽子岩北面に継続しましたが、集合時間に間に合わないので1Pで止めまし た。

K君ともう1人は、これから3日間錫杖に篭るので岩屋でお別れ。
元気いっぱいの若者達が登りまくり良い集まりになったと思います。これだけヤル気ある若者がいれば、来年のWCMは高齢化問題?から脱却できるでしょう。
錫杖ヤングクライマーズセックン 北東壁にて

報告:佐藤