【山行報告】佐藤裕介クンの山行報告

佐藤君から1月~3月までの長文の報告が届きましたので、本人の承諾をもらって掲載します。
まー、本当にスゴイわ。
ちなみに今月号のRock&Snowに「クライマーズインタビュー」として3ページにわたり掲載されてますね。


1月正月山行:黒部横断。
岳人(2012年4月号)に掲載

1月14日メンバー佐藤、(M目、S木)
WCM(ウインタークライマーズミーティング)の開催を予定している足尾に偵察を兼ねて行く。
初日は、チャンピオン岩稜。強風が吹きぬけるロケー ションの良い岩稜でした。標高も低いのでそんなに寒くなかろうと思っていたのですが、まるで滝谷の様な風でとっても寒かったです。
1月15日メンバー佐藤、(T嶋)
足尾2日目:最近全く登られていないという幕岩へ。アプローチ30分で素晴らしいクライミングが待っていました。
1P目、奇麗なワイドクラックか らスタート。予想以上に奮闘的なオフウィズスで行き詰まり、クライムダウン。左足はアイゼン無し。右足アイゼン。核心は頭がつっかかるのでノーヘルにして 再度取り付きました。登っていくにつれ被ってきて完全なワイド技術が必要でした。上部も充実したクライミングが出来ました。

1月21日メンバー佐藤、(I藤)
錫杖の2・3間リッジに行ってきました。
めっこ入会1年目、18歳の時に武田さんに連れられて初めて登った本ちゃんルートです。時間切れ+上部ア イスが張ってなかったなめ、敗退しましたが充実の17時間行動でした。夕暮れの中、登ったピッチは久々にハマッタ感のあるとても厳しい登攀になりました。

1月28日(土)メンバー佐藤、(I藤、N海)
本当はもっと奥深いクライミングを週末にしたいと思っているのですが、天候が許さず今週も錫杖岳。朝4時から猛烈ラッセル(黒部の様な空身万歳 ラッセルあり)の連続で取り付きに着いたのは12時半。冬の錫杖には何度も来てますがこれまでで2番目に凄かったです。P4の素晴らしいラインに取り付く も時間切れ敗退でした。2週連続の敗退で残念です。20時間行動でした

2月4日メンバー佐藤、(N海)
また錫杖。先週、時間切れ敗退したP4ダイレクトルンゼルートに再び行ってきました。吹雪の中、懲りずにフォローはビバーク装備を背負って登攀。 
今回もラッセルありましたが10時半には取り付けたので明るい内に完登。かなり難しいピッチの連続する錫杖の中でも難しいルートのひとつでした。前回もあ と5m程登れば完登でした(暗くて先週は分からなかった)。P4頂上付近に見つけた岩屋でツエルトビバーク。 

2月5日。
ツエルトから出ると昨日の悪天は去り、星空。
3ルンゼのコルまでキノコ雪と戦い、グラスホッパー(氷)を登攀。取り付きは、ちょっとハングしてお り難しく、ザック(二人分の泊まり装備)を背負ってのフォローは激パンプしました。烏帽子の東肩2ピッチを更に登り、反対側に懸垂下降。本峰に続く壁を 1P登った所で残念ながら夜が来てしまいました。充実したけど残念。21時半下山。

2月10日メンバー佐藤、(O田)
WCM開催。全国から元気なクライマーが集まり足尾でウインタークライミングしました。最近、登られて無い幕岩で開拓気分を感じながら楽しく登攀。

2月11日メンバー佐藤、(M井)
今日は、富山県山岳警備隊の方と登攀。あっちこっちと連れ回し充実の1日でした。

2月12日
WCM3日目。
最終日は、坂下直枝さんの講演に続き、皆でディスカッション。テーマは「スキルアップと生き残ること」改めて考えるきっかけとなる有意義なものでした。盛り上がり過ぎ12時終了の予定が、昼飯も食わず3時間もオーバーして終了。

2月18日
東京で行われた海外登山研究会の中でウルタルの報告をしました。その後、米子不動に移動、仲間のトレースを追って夜7時にベース入り。なんだか、とても寒いです。

2月19日メンバー佐藤、(N門)
100m級のアイスフォールがいくつもある米子不動にてアイスクライミング。今シーズン初アイスなので「パンプしまくるのでは。。。」と緊張しましたが氷質良く問題ありませんでした。良く発達した黒滝3P登攀後、隣の不動滝も登れて楽しく充実した1日。22時下山。

3月4日メンバー佐藤、(O田、M城、T柳)
錫杖P4北壁という随分とマイナーな壁へ。なんでも日本のベンネビスがあると言う発案者に騙され行ってきました。
それでも久々に草付きにバイルをブチ込みまくり。最後は短いけどルーフチムニーも出てきて富んだ良いラインでした。P4の本当の最高点も雪庇をブチ破り登頂。実は初めてでした。初めて組む(若いクライマー2人)+(そうでも無い2人)で楽しい1日でした。

3月10日。メンバー佐藤、(M目)
唐幕へ。今年はベルクラの張りがかなり悪く、中央ルンゼも全く張ってません。畠山ルートへM目さんと行ってきました。
いつものスタイル(残置無視)でフリー初登でき大満足。初日。核心の一つと思っていた2ピッチ目の被ったクラックは、変化に富む内容でよかったです。クラック上の5mのフェースで 脆弱な草付を剥がしてフォール。その際アックスの流れ止めがブチ切れアックスが取り付き付近まで落ちて行きました。最悪~。ロワーダウン+懸垂して雪に埋 まったアックスを探し出し。。。登攀再開。
M目さんへバトンタッチし剥がれかけの草付を使って素晴らしい粘りで登り切ってくれました。ベルクラが発達する 年ならこの部分もまともに登れると思います。夜まで登り続けビバーク。シュラフ無しで寒かったです。

3月11日。
寒くて2時半起床。さっさと登り始めました。上部核心は、被ったクラックにルートを求めましたがとても難しく残念ながらOSできず。プロテクショ ンは良かったので、フリーにこだわり落ちては再トライ。2人合わせて5回目もトライしRPしました。被ったクラックは短いのですが、前半ドライツール、後 半ジャミングやレイバックで思いっきり素手登り。冷たかったなあ。


※写真は後ほど

H24/3/22 追記
佐藤君から写真が届きましたので、掲載します。
黒部横断1
黒部横断2
黒部横断3

黒部横断7
黒部横断6
黒部横断4
黒部横断5



WCM足尾にて

錫杖2・3間リッジ

錫杖P4北壁からピークへ
錫杖P4北壁 4人!パーティにて遠足(登攀)


唐幕岩 プチ拷問トンネル(ビバーク地)
唐幕岩 ビバーク
唐沢岳幕岩 畠山ルート フリー初登