山行報告 明神岳・主稜

明神岳を南西尾根と主稜から登ってきました。




日時:2017年6月3日~4日
山域:北ア 明神岳
メンバー:T原、ほか1名

このGWに明神へは東稜から登った。
その時は、主稜を降りる計画であったが、雪や気候の状況から、主稜の下山は諦めた。
山中に水場がなく、水の確保が難しいので、積雪期に行くのが正しいのだろうが、この時期はギリギリ雪があるか無いか微妙。
無かったら困るので水は担ぎ上げる事とした。

初日の行動用の飲料水とは別に私が4.5リットル、合計で7リットルを上高地で確保。一気にザックが重くなる。
岳沢へ向かう登山道を歩き、途中No.7の看板で右側・南西尾根に入る。
倒木などが多く、しばらくは歩きにくい。
予定の5峰下ビバーク地点まで、標高差およそ900mの急傾斜を我慢強く登り、昼ごろに到着。
まだ陽は高く、先に行ける体力は残っていたので、先に進む事にした。
5峰の山頂には噂通り、古いピッケルが立っていた。本峰まで見渡せるが、まだ遠い。
4峰は山頂を通り、ルーファイは問題なかったが、3峰は巻き道が不明瞭で少し迷う。
前日に少し雪が降ったようで、踏み跡が分かり辛い。
方向感覚頼りで進み無事2峰とのコルに着く。
2峰を登るとすぐに、残置捨て縄が掛かった下降支点がある。しかし下を見ると、本峰のコルにずれた場所に降りてしまいそう。まだ支点が無いか探すと、奥にもうひとつ。下を見下ろすと、2つ目の支点が見える。ここから降りる事とする。2度の懸垂で無事に降り立ち、今年2度目の明神山頂を踏む。

すでにガスに巻かれ、展望は無し。気温も0度近くになり寒い。
前回通った時に確認していた、ビバーク地点まで下り、テントを張って潜り込む。
テントの中で火を炊き、暖を取りながら、暖かい物を飲み、生き返った。
しばらくすると、陽が出てきたようで、外を覗くと前穂が大きく、陽を受けて美しく輝いていた。

夜中は風が強く、テントをバタバタと揺らし、何度も目が覚めた。
早朝起床して、下山準備。
奥明神沢のコルに降り、前穂へ登ろうか迷うも、奥明神沢の雪は下まで続いていそうだったので、予定通りそこを降りる。
雪はアイゼンがサクサク決まり、快適に岳沢まで降りる事ができた。
午前中に下山し、ひらゆの森で汗を流し、昼食を食べ、帰路に着いた。