【山行報告】黒部 丸山東壁左岸稜

海の日の三連休は、黒部の巨人「丸山東壁」左岩稜ルートの登攀に挑んできました。

日時:平成30年7月14日(土)~16日(祝・月)
山域:黒部・丸山
メンバー:T野,M崎,T原(報告)

13日(金)の夜9時に集合し、扇沢へ移動。扇沢に0時過ぎに到着したが、すでに駅に近い無料駐車場の空き無し。少し離れた無料駐車場に車を停める。さすが天気が約束された3連休だ。

初日朝、始発のトロリーバスに乗り、黒部ダムに上がる。ダムサイトから旧日電歩道を降り、内蔵助谷の出合いから丸山東壁基部に向かう。
途中テントをデポし、水を一人3リットル以上汲む。計画では壁でビバーク予定。東壁を見上げるとやはりデカイ。暑い熱い2日間が始まる。

取付きでギアを身に着け、10時ごろ登攀開始。3人でまんべんなく各ピッチをこなす。しかし、T野さんに難しいところはお任せ(笑)。人工あり、ルーファイ、木登りあり、ブッシュあり、それに暑い・・・各ピッチ少々時間が掛かる。
とてもアルパイン要素の濃いルート。おおよそ快適な登りとは言い難いが、とても楽しい。
トポのピッチグレードはⅢA1やⅣA1とあるが、総じて辛い。
T野さん曰く、近年あまり人が入っておらず、ルートが廃れてきていて、難しくなってきているのではないかとの事。
確かに苔が生えていたり、ハーケンやリングボルトが古く感じる。もったいない。
11Pが難しく手こずり19時過ぎ、ここで日没タイムアウト。外傾しているが、広めのテラスでビバーク決定(と言っても3人ギリギリ)。
各人シュラフカバーやツェルトに包まり就寝。岩の隙間から見上げる空は狭いが、星は綺麗だった。
この辺りから携帯の電波が入る。LINEで無事を報告。明日の天気も快晴予報。

2日目5時行動開始。11Pをリトライ。壁からカンテの向こう側の木を掴み、飛び移るというトリッキーさ。12Pの終了点が予定していたビバークポイント。広く平らだった。
その後も炎天下のもと、各メンバー各ピッチをこなし最終15Pへ。ここもトポのⅢA1はウソだろ~ってくらい難しく、空中アブミ&木登りとなる。15Pを終え、10時半左岩稜ルート終了。
その後北峰まで、藪も濃くて傾斜も強かったので、ロープを3ピッチほど出した。藪漕ぎで少し迷いながらも、岩に赤ペンキで矢印があり、14時半北峰山頂に到着。

内蔵助平へ降りる周回の計画。コンパスとGPSを頼りに、丸山主峰とのコルに降りる。下降点は、木に赤丸ペンキと細引の残置が目印。枝を掴みながら藪の急斜面を下降する。しばらくすると雪渓が出てきて、傾斜も落ち着く。広い内蔵助平も見える。
またしばらく降りると沢に水が出てきて、ここで心もとなかった水をガブガブ補給。
そのまま水線を辿り、登山道に出た。デポしたテントを回収して、鉄塔下で幕営。完登を喜び合う。平らなテントの中は快適で熟睡できた。

最終日はダムに戻るだけ、朝はゆっくりめ。トロリーバスに乗り下山。
薬師の湯で汗を流し、お腹も満たして帰沢。