【山行報告】槍ヶ岳/北鎌尾根

日程:2018年12月30日〜2019年1月4日
山域:槍ヶ岳 北鎌尾根
メンバー:M崎、他2

12月30日
7:40葛温泉〜8:20七倉〜9:56高瀬ダム〜13:15湯俣〜15:17中東沢出合(泊)
12月31日
6:10中東沢出合〜7:46千天出合〜9:00P2取付〜12:00P2〜15:25P3(泊)
1月1日
7:15P3〜9:27北鎌のコル〜11:40P9と独標のコル(泊)
1月2日
6:25P9と独標のコル〜10:30独標〜16:30北鎌平手前のコル(泊)
1月3日
11:08北鎌平手前のコル〜11:38北鎌平〜12:20大槍基部〜14:15槍ヶ岳山頂〜14:45肩の小屋〜16:30中崎尾根2400m地点(泊)
1月4日
8:00中崎尾根2400m地点〜10:31槍平〜14:00新穂高温泉

1日目(12月30日)小雪のち曇
大町の道の駅で前泊し、準備万端と思いきや1時間寝坊してしまい慌てて葛温泉に向かう。
さらに、入山して直ぐスコップを忘れた事に気づき焦るが、七倉で遭対協の方にスコップを貸して頂き安堵する(そのスコップは毎日使用する事となり非常に助けられました)。
先行数パーティのトレースを使いダラダラと長い道のりを辿り湯俣の非常に揺れる橋を渡ると、いよいよ北鎌尾根に通ずる水俣川への入渓となる。
中東沢出合手間までは高巻きをして渡渉を回避し、第1渡渉点でウェーダーに履き替えて面倒な渡渉を快適なものにする。
この日は中東沢出合近くの河原で幕営。

湯俣の揺れる橋
ウェーダーでの渡渉

2日目(12月31日)晴
朝から渡渉を繰り返し、千天出合を越えて天上沢を少し登ると、思っていたよりも早くP2取付に辿り着いた。
ここでウェーダーをデポし(無雪期に回収)、急峻なP2への尾根を登り始めるがP2直下で悪い岩と木の壁にぶち当り、ロープを1ピッチ出して尾根に上がる。
そこから先は藪混じりの尾根を進み、P3直下の雪面を切り崩し幕営とするが風が強く当たり寒い夜を過ごす。
P3への尾根を登る
P3から先の尾根を望む

3日目(1月1日)晴のち風雪
朝から快晴の下、行動を開始する。
P5の天上沢側トラバースは通常ロープを出す所だが、先行者のトレースがありノーロープで越えることが出来た。
P7からクライムダウンと懸垂下降を交えて北鎌のコルに降り立つと雲行きが怪しくなる。
P9の天狗の腰掛に辿り着く頃には風雪が強くなり、早々に行動を切り上げることを決めて幕営適地を求めると、P9と独標のコルで風雪を避けれるホテル北鎌とも言うべき快適な岩小屋を見つけ快適な夜を過ごす。
北鎌のコルへ降り立つ
快適な岩小屋

4日目(1月2日)風雪のち晴
先日から降り続いた雪により先行者のトレースは消え、ラッセルからスタートする。
独標は直登ルートを選択しロープを出すが、ビレイ地点は風の通り道で足先の感覚がなくなるくらい凍える。
独標から先は細かいルーファイで直登とトラバースを繰り返す。
天気は好転するものの風は依然として強く、幕営適地を見つけられるか焦るが、時間ギリギリで北鎌平手前に多少は風を避けれるスペースを見つけ急いで幕営する。
幕営地点は風の巻き返しが強い上、3000m級なので猛烈に寒く辛いが、生憎、パーティ一同お通じが良くエクストリームなおトイレを余儀無くされる。
独標へのラッセル
独標からは細かいルーファイ
乾雪の恐ろしいラッセルトラバース
いよいよ槍ヶ岳に近づく

5日目(1月3日)風雪のち晴
午前中は悪天のため、お昼頃から行動を開始し、風雪の中、最後のピークとなる大槍の基部に向かう。
大槍の登攀のほとんどは容易な雪壁登りとなり、核心のチムニーは雪で埋まっていた。
1ピッチのコンテで登りきり、槍ヶ岳の山頂に辿り着くと快晴となり非常に気持ちが良い。
当初、槍ヶ岳からの下降は大喰岳西尾根を予定していたが、ここ数日の大雪で飛騨沢方面は雪崩リスクが高いと判断し、中崎尾根から下る。
中崎尾根は硬い雪面の上に乾雪が降り積もった状態でトレースもなく、雪崩リスクに恐怖しながら下ることとなり、ラッセルも酷く最後まで楽をさせて貰えない。
夕方頃に行動を打ち切り中崎尾根2400m地点で幕営とする。
幕営地点は風もなく快適だったのだが、余った行動食のバタピーを食べ過ぎ、腹痛で苦しむこととなった。
大槍の基部に向かう
遂に槍ヶ岳の山頂へ!
中崎尾根を下る

6日目(1月4日)快晴
この日は朝からラッセルかと憂鬱だったが、テントを出ると槍平から登ってきた沢山の登山者のトレースが付いており快適に新穂高温泉まで下山できた。
下山後は新穂高温泉にデポした車で葛温泉に置いた車を取りに行き、葛温泉仙人閣で6日分の汗を流したのち、大町の道の駅で宴会して、翌日、金沢へ帰りました。