【山行・ヒヤリハット報告】西穂 天狗尾根

日時:2019年4月28日
山域:北ア西穂周辺 天狗尾根
メンバー:T原、S田、H多、A瀬

GW前半、天気予報は良くない。そこで計画を変更し、日帰りで西穂周辺の天狗尾根に。
しかしここで『ヒヤリハット事故』を起こしてしまい、途中で下山しました。自戒を込めてここで報告します。

金沢を23:30に出発し、新穂高温泉に2:00到着。
新穂高温泉の無料駐車場に車をとめて右俣林道を歩き始める。2週間前に比べるとかなり雪溶けが進んでいる。
白出沢から沢沿いに上がっていく。白出沢と西穂沢を分ける尾根が目指す『天狗尾根』。
ハーネスとアイゼンを装着し、尾根末端から取り付くも初っ端から岩場の急登。
急登とリッジと雪の踏み抜きに思うように高度が稼げず、息を喘がせながら登っていく。


10:30
森林限界も近づいた所で暑いのでシャツを脱ぎ、3名に先に行ってもらう。
急な斜面を左上している所で、3番手のH多さんの足元が崩れ、体制を崩すのが見えた。
両手にピッケル・バイルを持っていて滑落停止体制をとるまで少し間が開いた事と、グサグサ雪の急斜面にピックが効かず滑落停止体制のまま天狗沢を滑り落ちていく。
そして天狗沢は途中から斜度が急になり、H多さんが見えなくなる。
急ぎ3人でバックステップで天狗沢を下っていき、H多さんの元に到着。
幸いにもH多さんは斜面途中の雪溜まりで停止でき、打ち身などのケガも無く無事でした。
滑落の高度差は150mほど。
ホッと胸を撫で下ろし、そのまま天狗沢を下降し、白出沢の合流して下山する。
2:20 新穂高温泉の駐車場を出発

5:03 白出沢(左)と西穂沢(右)を分ける尾根が『天狗尾根』

急登を登ります
 
9:41 西穂からのスカイライン

10:07 分かりにくいですが、このリッジを過ぎた先の雪壁から滑落しました

10:39 滑落した『天狗沢』をバックステップで下降していきます。下に見えるのは先行するT原さん



反省と対策
ロープを出せば防げたと思うが、滑落した場所は「ロープを出すべき」とは思えなかった。(ロープを出す事を渋った訳ではない)
しかし、発生率は低くても「もしここで事故が発生した時の危険性」を考えて行動する事を、改めて反省点としたい。

次の反省点として、両手にピッケル・バイルを持っている時の滑落停止体制への入り方についての訓練と、
滑落スピードが出る前に初動で停止する滑落停止訓練を、実施したい。

停止には至らなかったが、滑落停止体制を維持した事で、滑落スピードを減少できた事は良かったと思う。

最後に、今回の山行のサブテーマが『天狗の頭でO畑さんに手を合わせる』でした。
H多さんの無事が分かった時、S田さんが「きっとO畑さんが守ってくれたんだ」と言われました。きっとそうだと思います。