【山行報告】二又川大清水谷

日時 2019年6月1〜2日
ルート 寺津ゲート〜犀川ダム〜倉谷川〜ナガ尾根〜コトムラ谷〜トムラ谷〜二又川〜大清水谷
メンバー A瀬、K村、T橋

概要
犀川源流紀行の本命とも言える二又川。思えば今から10数年ぶりの訪問。犀川ダムまでの道が閉ざされてから秘境度がぐっと増し、昨年も計画するも天気の都合で実行できず2年越しの山行となる。

6月1日
自宅から寺津ゲートまでは車で30分弱にもかかわらず4時前に集合して薄暗い中、自転車に乗ってスタートする。なんせアプローチだけで6時間かかる予定…。

ダム脇に自転車をデポしてダム湖沿いの道を歩く。倉谷集落跡を過ぎ、倉谷川沿いの登山道を進み、金山谷出合には6時30分着。ここからナガ尾根登山道を行く。ナガ尾根は、笹が刈られ歩きやすい。
整備をしてくれている方に感謝する。そんな道は出だしは急登であるが上部は素敵なブナ林。人気(ひとけ)のなさが素晴らしい。

砺倉分岐からしばらく尾根伝いに歩き、コトムラ谷に向かう。コトムラ谷の中間部にミニゴルジュがあるらしく
谷脇を藪こぎしながら斜面を下る。途中で跳ね返った笹にメガネを飛ばされ、必死の捜索。「あるはずのものは
必ず見つかる」との心強いお言葉をいただき、あきらめないで奇跡的に探しせた。

そんな事件もあり、トムラ谷出合には9時到着。そこから素敵なナメ床を歩いて二又川出合に到着。この時、
すでに9時45分。

10数年ぶりの二又川は完璧でした。一体、1年間に何人の人が足を踏み入れるのか全く予想もつかない秘境感
が漂っている。その上、現在地は金沢市内。なんて身近な秘境なんでしょうか。かつて訪れた時は山を始めて2年
くらいの時でしたが当時の新鮮な驚きが沸きかえる。

幕営地に適した河原を素通りし、そのまま本流と支流の偵察を兼ねて川を下る。平瀬から一気に渓相が変わり、
大渕をまきつつ、ゼンタナ、大清水谷の出合を確認して、大清水谷によりわずか下流の河原に泊まることとする。
時刻は10時30分。結局、ベースまでのアプローチに要した時間は、若干のトラブルを含め6時間半であった。

疲れもあるので少しはのんびりしようかと思うが、あまりにも渓相、天候もよいため、そそくさと荷物をデポし、
幕営地上部の偵察開始。結局14時半まで探索を続け、ベースに戻ったのは15時半であった。

その後は焚き火などを満喫し、21時30分就寝。

6月2日
素敵な河原で4時半起床。昨晩のおきに火をくべて、朝食を終えたあと、今回のメインイベントである大清水谷の
探索に出かける。

この大清水谷には菊ヶ滝が控えており、地元の猟師さん達のいい伝えでは熊でも転げおちる壁であるとのことで、
満を持して6時に遡行開始。前日のアプローチで疲れた体に鞭を入れ、沢をつめるとH680あたりに滝を発見。
が、予想よりもしょぼい感じ。本当にこれが菊ケ滝かと3人で話しあうも、標高的にも周辺の地形的にも妥当で
あろうというこで地元猟師の伝承の伝聞には尾ひれがついたものだろうと判断を下す。
(後日、もっと奥に滝があることが判明!!)

それでも朝一シャワーを交え、上部の探索に行ってみれば雪渓で沢が塞がれており、遡行を断念。
ベースには8時に戻り、後片付け後8時半に帰路に着く。

実の今回の核心はここからであり、往路を戻る訳であるが、再びトムラ谷経由でコトムラ谷脇の藪急斜面を登り
返さなければならない。これが大変で、藪藪急斜面をトラバース気味に登らないといけないのだが、木の枝をつかみ
ながらのモンキークライミングはどうしても直登気味になってしまい、50mほど無駄に登ってしまう。

へとへとになりながら砺倉に着いたのは11時。登りは快適だったナガ尾根の下りも沢靴では滑りまくりで苦労
する。結局、金山谷出合に戻ったは12時半であった。

ここから、用事のある小村さんと別れて、倉谷川の探索を予定していたもののあまりに疲労で割愛し、そのまま
下山する。ダム湖畔の平坦な道に嫌気がさしつつ、14時20分犀川ダム着。快適な自転車での下りのち寺津ゲート
に14時50分に到着し家路につく。

二又川のテン場



菊ケ滝と間違えた滝



総括
主目的であった菊ヶ滝の偵察は不発に終わったが、二又川はやはり素晴らしい。
アプローチも悪いため支沢の探索を含めると2泊は欲しいところであるほか、標高が低いため夏場は入山できないなど近いくせになかなかたどり付けない川だけど、しばらくは通ってみようと思う。