【山行報告】剱岳・八ツ峰縦走

お盆休みの前半、剱岳・八ツ峰の下半から上半を縦走して来ました。

日時:2019年8月11日(日)~13日(火)
山域:剱岳・八ツ峰
メンバー:S田,H多,T原(記録)

立山・剱の玄関口、立山駅はさすがお盆休みの混雑。チケット売り場は長蛇の列で一時間並ぶ。しかし石川県民1割引きでラッキー。ケーブルカーとバスを乗り継いで室堂BTへ。
1日目は室堂BT〜雷鳥沢〜剣沢雪渓〜真砂沢ロッジのテン場へ。翌日は暗いうちから行動の計画なので、テン場へ向かう途中、長次郎谷に入り、取付きの八ツ峰1・2ルンゼを偵察。雪渓が岩に繋がっている所から取り付ける事を確認できた。

2日目は朝3時少し前にテントを出発。まだ夜明け前なので真っ暗。ヘッデンを明るくしても光が届かない。ほぼ勘で剣沢から長次郎谷の雪渓に入る。30分ほど雪渓を詰め、昨日の偵察のお陰で、暗いながらもスムーズに取付きに到着。空が明るくなってきてから登り始める。岩はスラブで少し滑りやすい。アプローチシューズはフリクションが効き楽勝だが、登山靴のH多さんは滑るようで慎重になっていた。事前の調べでは、1・2ルンゼは右側を意識して登るとあったが、登りやすい所を登ったり、藪を漕いで行き詰まったりして登って行くと、左側へ導かれてしまい、結局3峰に出てしまった。1峰、2峰は既に後方、しかし戻る事はできないので「まぁいっか」と先に進む事に。せっかく登ったのに、懸垂下降して降りる。アップダウンして進み、中間地点の5・6のコルへは、5峰から4回懸垂下降が必要だった。取り付いてからここまで、4時間半もかかる。

6峰の長次郎谷側フェイスはアルパインのルートが何本かある。私の初アルパインはここのCフェース剣稜会ルートだった。あの頃は恐々登っていたが、今ではそれが懐かしい。コルから見上げると何パーティーも取り付いていた。いまも人気の入門ルート。
6峰を登り始めて上半スタート。登って懸垂下降して、登って懸垂下降の繰り返し。登りの難しさは特になくガシガシ登れて、高度感もあって楽しい。良いペースだったが、先行パーティーに追いつき、懸垂下降の順番を待つ事になる。8峰に着き、ここが最後だと思っていたら、まだ八ツ峰の頭が残っていて、勘違いが恥ずかしい。最後は池ノ谷乗越に懸垂2回で降り立つ。

アイゼンを履き、ピッケルを持ち、長次郎谷の雪渓を降りる。最初は急で、6本爪の軽アイゼンでは怖い。途中の熊の岩にはいくつものテントが張られていた。皆チンネや6峰フェイスを登っているのだろう。ほどなく取付きの1・2ルンゼの前を通りかかり、登った尾根を振り返る。真砂沢ロッジのテン場に15時半ごろ帰着。行動時間が12時間を超えたのは久しぶり。

3日目は下山のみ。下山といいながらも、剣沢を別山乗越まで1000mの登り返し。雷鳥沢を降り、また室堂BTへ150m登り返す。疲れた身体にザックが重い。

室堂BT付近は景色を楽しむ観光客で賑わっている。三日間の汗のニオイを漂わせながら、人をかき分け歩いてきた。