【山行報告】チブリ尾根〜別山

年末寒波襲来前の好天をフルに活用して、チャムラン・めっこ合同パーティーで念願の別山の頂を踏んで来ました。
日時:2020年12月27日〜30日
山域:チブリ尾根〜別山
メンバー:I垣、S田、K市(チャムラン)、K(チャムラン)

12/27   晴れ 
過去の反省を生かして今回は風嵐ゲートから猿壁まではスキー作戦。下見で歩いた一週間前よりも雪は大分落ち着き、更にT原さんがトレースサポートに来てくれ猿壁には12時着。3年前は2時間要した市ノ瀬〜猿壁が今回は40分とスムーズ。I垣さんは借りた兼用靴が合わず、急遽T原さんのスノーシューを借りて。T原さん、色々とありがとうございました!
猿壁でスキーと靴をデポし、尾根に取り付く。春山のような暖かさの中、空身ラッセルで先頭を交代しながら高度を上げ、予定よりも上の1,280m地点でテン泊。3年前は時には胸ラッセルだったことを思うと今回の膝ラッセルは格段に好条件だ。

12/28   小雪〜ガス 
5時30分発。夜中から朝方にかけて小雪がちらついていたが、出発後ほどなく止む。ただ、気温が高いせいかガス模様。それでも今日も空身ラッセル作戦で、前回は見つけるのに苦労したチブリ避難小屋には10時20分と早めの到着。明日のアタックに備えて全員でトレース作りに向かう。チブリ尾根は結構複雑地形で視界が悪いと迷いそうな為、赤旗とピンクテープを付けながら、K市さんの言う三角おむすびの下2,200mまで。「(登頂への)みんなの執念を感じました」とI垣さん。K市さんの「もう宿題は残したくない」の言葉通り、ここまでトレースを作れば明日はきっといいアタックができるだろう。
何とかテントもギリギリ小屋の中で張れて、快適な一夜を過ごす。

12/29   晴れ 
5時発。月明かりと星空が今日の登頂を約束してくれているようだ。昨日のトレースは一部風で埋もれているが大方残っており、順調に高度を上げる。途中氷結した箇所でワカンからアイゼンに履き替え、唯一心配していた残雪期にはナイフリッジになる箇所も問題なく通過。左手には一年前に頂に立った真っ白な白山が均整のとれたたたおやかな姿で鎮座し、右手には福井の山々、御舎利からは北アルプスの峰々もきれいに望める。御舎利から別山へ近づくにつれて何だかじわっと込み上げるものがあった。7時40分別山登頂。冬以外の季節は数えきれないくらい訪れている別山だが、冬は荘厳な感じが格別だ。幸運にも昨年、今年と連続でピークを踏めたことに感謝! 足の揃ったメンバー、好天、サポート、過去の経験、全てが噛み合っての結果だ。
名残惜しいが、記念撮影して頂上を後にし、避難小屋へ降りる。明日からは数年に一度の大寒波が来るらしく、今日は出来るだけ下りたい。小屋から下りる途中でK市さんが何度も別山を振り返る姿が印象的だった。多分登頂出来た達成感、安堵感の一方で一抹の寂しさも感じているんだろう…
下りは早い。今日も春山を思わせる陽光の下、気持ちのいいブナ林のチブリ尾根をザクザク下り、猿壁には13時30分着。スキーに履き替え百万貫岩先のスノーシェッド下でテント泊。

12/30   雨
小雨降る中、1時間余りで風嵐のゲートへ。
唯一10時から開いていた白山里で汗を流し温まり、I垣さんおすすめの台湾料理の店でお腹を満たし帰宅。午後からは予報通り大荒れになった天候。今回山の神様がプレゼントしてくれたワンチャンスを最大限生かせたことに、メンバーのみんなに感謝、感謝である。
因みにリーダーのK市さんは重荷が降りて断髪、断髭したそうです。