北欧トレッキング

S田です。
2025年6月18日~7月2日、北欧にトレッキングと観光に行ってきました。

行先はスウェーデン北部の「王様の散歩道(クングスレーデン)」で有名なアビスコ国立公園とノルウェー北部の風光明媚な島々が美しいロフォーテン諸島。
アビスコからロフォーテン諸島は列車とバスを乗り継いで移動し、その二か所をベースに日帰りトレッキングを楽しんできました。
この時期、北極圏のラップランドは白夜。太陽が全く沈むことがないラップランドの8日間は不思議な体験で何だか別世界にいたような気がします。

6月18日(水)   金沢~関空~ドバイ
6月19日(木)   ドバイ~ストックホルム~アビスコ
6月20日(金)   晴れ
ストックホルムから18時間半の列車の旅で昼過ぎにアビスコ着。
車窓からの景色は針葉樹と湖、残雪を抱いたなだらかな山容で北欧らしい。
アビスコでの2泊はテント泊の予定だったが、ツーリストステーションで確認したら国立公園内はキャンプ禁止。4km先の保護エリア外ならOKとのこと。
ただ、今日は風強く寒く、長旅の疲れで気持ちが萎えてしまい、テントはあきらめステーションのホステルで宿泊することにした。
マップをもらいスタッフ推奨の2時間ルートNJAKAJAUREコースヘ。
とても歩きやすく、木道のおかげで湿地も靴を濡らすことがない。
空気が澄んで新緑が美しい。並行して流れる川の激流を眺めながらアップダウンのほとんどない快適ハイキング。「王様の散歩道」はこんな感じがずっと続くんだろう。
まだ時間はたっぷりあるので、周辺のCANYONコースとTHE SHOREコースも歩く。
アビスコ

6月21日(土)   晴れ
4時出発で最も長い往復14kmのPADDUSコースヘ。
早朝から歩く人は誰もおらず、静かで贅沢なハイキングを楽しんだ。
最終地点のPADDUSで雄大に広がるロケーションを満喫。
山々の残雪の具合が日本の5月の感じ。5時間後の9時にはホステルに戻る。
休憩後4時間コースのKARSAFALLENへ。ほぼ樹林帯で湿地が多く、木道はあるがアプローチシューズだと結構濡れる。途中から枝分かれしているRIHTONJIRAコースは雪崩の危険ありとのことで、閉鎖されていた。
出発点に戻るとまだ13時だったので、ニューラ山(1169m)のリフトに乗ることに。900mまでリフトが運んでくれ、アビスコの広大な景色を堪能する。
冬はオーロラ観測が出来るらしい。下りは歩きで降りたらかなりの急斜面で上部はベッタリの残雪。慎重に下るがアプローチシューズはグチョグチョ。

6月22日(日)    晴れ アビスコ~ナルヴィーグ~スヴォルヴァー
風強く気温は8℃で肌寒い。今日でアビスコとお別れ。列車で車窓からの雪山、湖、渓谷の景色を楽しみながらノルウェーのナルヴィーグへ。
バスに乗り換えてロフォーテン諸島のスヴォルヴァーへ。バスの車窓からは海と岩肌をむき出した崖のラインが見事な風景が楽しめる。
今日の宿泊地スヴォルヴァーには20時着。

6月23日(月)    晴れ スヴォルヴァー~モスケネス
スヴォルヴァーはクライミングのメッカで町にはクライマーの姿がちらほら。
スヴォルヴァーからレクネス、レクネスからモスケネス行きのバスに乗り換える。
モスケネスに到着し、キャンプ場へ。海と山、その間の草原地帯にあるキャンプ場は快適そのもの。日程の関係上ここで3泊にしたが、正解かな。
受付で3泊分の750NOK(11,250円)を支払う。ここまで北欧の物価高を痛感していたがキャンプ代はリーズナブル。マップをもらい今日は有名な「レイネブリンゲン」へ。
まずはテントを張り、16時出発。17時に登山口から登り始める。
人気のコースに大勢の人が取り付いている。ほとんど上まで石段なのだが、これが段差が大きく急登。苦行のように永遠に続く感じ。
登山者は老若男女様々だが、みんな脱落せず上まで行けているんだろうか。
振り向くと美しい海岸線、周りは急峻な岩肌が印象的。
1時間強で頂上へ。頂上手前のView Pointで出会ったスウェーデン人とリトアニア人のカップル。彼らは昨年日本を訪れ京都、和歌山の熊野古道を歩き、熊野の火祭りが素晴らしかったそう。View Pointからの眺めは快晴の下、息をのむような美しさだった。
屹立する岩峰、海岸線、町がつくる構図はポストカードのよう。
ずっとたたずんでいたくなる。今回はフィヨルドづくし。
フィヨルドツアーに行く必要がないくらい。
かなりの時間を頂上で過ごし、石段を下る。キャンプ場に戻ったのは21時過ぎ。この時間でも太陽の日差しがまぶしいなんて不思議な感覚。
白夜のおかけで毎日精力的に行動出来るが、多分睡眠不足になっていそう…
レイネブリンゲン





6月24日(火)    晴れ
9時40分 のんびりキャンプ場出発。歩いて隣のソルバーゲンの町へ行き、今日登る予定のティンドスティンゲンの登山口を探すが分からない。うろうろしていると
丁度トレッキング姿のファミリーに出会い、聞くと行先が同じだったので、彼らについていき無事登山口までたどり着く。日本と違って標識が極めて少ない為、
すんなり正しい道を行くのが難しい。
ファミリーと前後しながら歩くが、気づいたら途中でいなくなっていた。
出会った別のカップルに聞くと、このルートが目的地と全然違うことを教えられる。
仕方ないので引き返して仕切り直し。
まあ時間は十分あるので焦る必要はない。正しいルートは沢を何度か横切りぬかるみ多い。かなかハードな登りは468mの山とは思えないが、
頂上に辿り着くとそこからのごほうびの景色は素晴らしかった。
毎日フィヨルドを堪能しているが飽きることはない。

6月25日(水)     晴れ
今日はムンケブの小屋を目指す。昨日のルートと途中まで同じルートを辿る今日のコースはバッチリのはず。登山口7時出発。昨日引き返した地点を越え先に進む。草原を横切るところで踏み跡を見失い時間ロスするが、何とかわずかなトレースを見つける。しばらく進むと前方の尾根上を歩いている登山者が見えた。そっちの道に合流するとしっかりした登山道でケルンも沢山ある。結果的には回り道をした形でムンケブの小屋には11時30分着。
風が冷たくて寒い。今日は少し雲も出てきているが、それでも圧巻の眺めは変わらず。
岩稜の形状は剣か穂高に似ている。登山口に下りたら結構疲れてお腹も空いたので、カフェでフィッシュ&チップスをオーダー。210NOK(3,150円)
の値段に驚くが、久々のたんぱく質と塩分がこの上なく美味しかった。
3泊お世話になったテントサイトも明日でお別れ。

6月26日(木)     晴れ~小雨 モスケネス~レクネス
テントを撤収しバス停へ。モスケネスでは青空だったがレクネスに着いた頃には小雨模様。とりあえず今日の宿へ。大きいザックをデポし、空港の下見に行く途中にトレイルルートの標識。天気も良くなってきたのでトレースすることにした。HIMMELSTENBORGAとLITLHEIAへ。
道には黒くて大きいナメクジがいっぱい這っており、踏まないよう気をつけて歩く。雨上がりで大量に出てきたようだ。二つのトレイルとも高台から町を見下ろせて気持ちよかった。
宿に戻って調べたらレクネスから近いトレッキングコースで「オフェルセヤカーメン」(436m)というのがあった。ネット評価では「ロフォーテンで一番」とあり、どうしても行きたくなる。登り口まではレクネスから6km、頂上までは2kmらしいので、往復5時間あれば行って来れる。
明日の飛行機の出発時間から逆算すると4時に出発すれば十分間に合う。
レクネス

6月27日(金)     晴れ レクネス~ボードー~ベルゲン
朝から太陽がまぶしい。宿を3時40分出発。登山口から1時間、オフェルセヤカーメン頂上には6時15分着。頂上からぐるりと見渡せる景色が秀逸。見下ろす海は広大に広がり、諸島の形状は芸術的なラインが美しく早起きして来た甲斐があるというもの。ロフォーテンの5日間を締めくくるに相応しい景観だった。
宿に戻りパッキング後レクネス空港へ。
ボードー空港乗り継ぎでベルゲン空港着。空港から駅まではバス、駅からはGoogle mapで無事ホステルに着いた。
オフェルセヤカーメン

ベルゲン

6月28日(土)~6月30日(月)
ベルゲン観光、ソグネフィヨルドクルーズ、登山鉄道のフロム鉄道の旅
7月1日(火)~7月2日(水)    オスロ~ドバイ~関空~松任

日本に帰って約1週間。涼しかった北欧に比べ連日の猛暑と時差ボケ、白夜疲れか体内時計がなかなか正常に戻らない。
それでも白夜を体験し、テント泊でのトレッキングを楽しみ、公共交通機関を利用しての一人旅は多くの人に助けてもらいつつ、課題を1つずつクリアしていく達成感がありました。
現地で出会った人達は日本のアニメや小説が好きだったり日本への旅行経験がある人が多く、私ももっとしゃべれれば楽しく会話がはずんだのにと今回も反省…
なお、北欧は物価が高いと聞いていたが、サンドイッチが1,500円、フィッシュ&チップスが3,000円と確かに日本の3倍近くの感覚だった。
ちなみに費用は航空券が28万円、宿泊、交通費、食費、フィヨルドクルーズ等で32万円、トータル60万円程度でした。