みちのく百名山巡り

先日、知人のJさんと東北の百名山を登ってきました。
私自身は月山・鳥海山・八甲田山は山スキーで行ったことがあるが、花の時期に訪れるのは初めて。固有種の花々とも出会えて充実したみちのくツアーでした。

日時:2025年7月16~20日
山域:月山・鳥海山・岩木山・八甲田山・八幡平・早池峰山
メンバー:S田、他1名

7月16日(水)    月山
姥沢コースはリフトを使えば頂上までの標高差は500mとお手軽。
リフト乗り場では軽アイゼンをレンタルしていたが、多少雪渓歩きがあっても大丈夫だろうとスルー。
リフト上駅からスタートするが、姥ヶ岳への登りが予想外に急な雪渓で危険を感じた為、やむを得ず引き返してアイゼンをレンタル。1時間程ロスし、9時半リフト降り場出発。
月山は花の名山と呼ばれているだけあって白山や北アルプスでこの時期見られる花以外にミヤマウスユキソウ、キンコウカも目にすることが出来た。
Jさんはかなり下調べしてきたらしく、花の名前を色々とレクチャーしてくれる。
山頂には11時50分着。下りは別ルートを選択。こっちは雪渓が残るもアイゼンが無くてもOKだった。月山は人気の山のようで大勢の登山客で賑わっていた。
酒田の町からは明日予定の鳥海山が存在感のある山容を披露してくれている。
月山雪渓

月山ウスユキソウ

月山神社

7月17日(木)     鳥海山
湯ノ台口駐車場を4時に出発。滝ノ小屋、河原宿を過ぎると心字雪渓がドーンと目の前に広がる。大雪渓を登り、チングルマ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンシャクナゲ、ヨツバシオガマといった高山植物豊富な登山道を行く。
固有種のチョウカイアザミもたくさん目にすることが出来た。チョウカイアザミは一般的なアザミよりも大型、色も赤紫色でちょっと毒々しく独特な存在感があった。
頂上付近は残念ながらガス模様だったが、おかげで寒いくらいの天然クーラー。
頂上の七高山には8時20分着。下りは雪渓をサクサク歩き、12時過ぎに下山。
Jさんは大雪渓を歩けて満足げ。
予報が午後から雨だった為か、今日出会ったのは10人に満たないくらいだった。
鳥海山心字雪渓

チョウカイアザミ

7月18日(金)    岩木山
麓の嶽温泉を4時に出発。昨夜は暑くて睡眠不足の為、夢遊病者のようにフラフラしながら八合目へ。
岩木山固有種のミチノクコザクラは今が見頃らしいが、残念ながら気配もなかった。というよりも何故か
高山植物自体がほとんど見られなかった。
山頂には7時半着。上部は風が強いが独立峰の頂上からの360度の眺めは素晴らしく、日本海の海岸線、明日予定の八甲田山が一望出来た。
岩木山は津軽岩木スカイラインで八合目まで車で上がることも出来る為、麓から登る人は少ないようで今日は貸切り状態。
登りは眠くてボーっとしていたが、さすがに下りでは目も覚めた。
八合目から下の登山道は見渡す限りブナの原生林で木の密集度が凄い。
登山口には10時30分着。
岩木山は登る山としては魅力薄な感があったが、里から眺める姿は裾野が美しく広大で津軽富士と呼ばれるだけのことはあると納得。
岩木山頂上

岩木山

7月19日(土)     八甲田山・八幡平
今日は朝 八甲田山に登り、お昼頃から八幡平を歩く予定。
酸ヶ湯温泉を4時過ぎに出発。ルートは仙人岱経由で八甲田大岳に登り、下りは毛無岱から酸ヶ湯へ戻る周回コース。
火山性ガスの影響で仙人岱へ向かう地獄湯ノ沢辺りは高山植物が全く咲いていない。
途中からチングルマ、ハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ、イワイチョウの花々が可憐な姿を見せる。白のハクサンチドリは初めて。
登山道は手入れが行き届いており登りやすく、大岳頂上には6時半着。
頂上付近はガスがかかり風も強く眺望は全くないが、しばらく降りると展望が広がり、昨日登った岩木山も望める。
木道のかかった草原はキンコウカが真っ盛り。酸ヶ湯には8時半に到着。
ここから八幡平へは八幡平アスピーテラインを使ってアプローチ。

八幡平黒谷内駐車場を11時半に出発。八幡平は登山というよりも高原散策。
黒谷内駐車場からしばらく行くと黒谷内湿原。両側にニッコウキスゲ、ワタスゲの群生が広がり、アオモリトドマツの森を眺めながら木道の遊歩道を高原の涼風を感じながら歩く。
ハクサンチドリ、カラマツソウ、ハクサンシャクナゲの花々も見られた。
頂上には12時50分着。頂上パーキングからだと往復1時間程度なので観光客が多い。
復路も同ルートを戻り、黒谷内駐車場には14時20分着。
時間的にも八甲田山とセットで歩けて丁度いい行程だった。
八幡平ワタスゲ

八甲田山ハクサンチドリ(白)

八甲田山木道

八幡平ニッコウキスゲ

7月20日(日)    早池峰山
週末はマイカー規制の為、岳駐車場からシャトルバスで小田越へ。
小田越を6時出発。しばらく木道の樹林帯を進む。樹林帯を抜けると頂上まで風が強かったが、その分涼しいのはありがたかった。
登山道にはハヤチネウスユキソウがずっと目を楽しませてくれる。
その他タカネナデシコ、チシマフウロの競演も見事。
それにしてもスタッフもボランティアも多く、早池峰山が地元の人達に愛されていることがよくわかる。頂上には7時45分着。
登山者で賑わっている頂上からはぐるりと眺望が開けていた。
下りは滑りやすい蛇紋石岩に注意しながら、小田越には9時40分着。
シャトルバスで10時半過ぎに岳駐車場着。
途中休憩を入れながら自宅に着いたのは翌7月21日(月)の朝7時だった。
早池峰山ハヤチネウスユキソウ

早池峰山

早池峰山タカネナデシコ

今回の東北ツアー。天気に恵まれ予定通りのスケジュールで歩けました。
高山植物が見頃でウスユキソウをはじめ固有種に出会えたのはこの時期ならでは。楽しい山旅でした。