【山行報告】ザクロ谷上の廊下

日時:2019年9月14日―15日
山域:称名川ザクロ谷上の廊下見学
メンバー:N盛、T野、(M本)

9月14日 金沢5:30 大日平登山口7:10 から牛の首9時 牛の首直下ザクロ谷BCへ下降9:20
BCからザクロ谷遡行 10時ごろ 15時ごろ引き返す 17時ごろBC
9月15日 BC8時 10:30 F24 25m4段の滝で引き返す 12時BC 13時BCを出発14:30 登山口 グリーンパーク吉峰で入浴後 17:10カシミールで夕食

どういう計画・ルートにするかごたる。問題はN盛が16日は休めないというので前日17時半までにゲートを通過しないと閉まってしまう。それで無理のない計画はというと、、下の廊下は見学に行くだけで1日かかり、そこから上の廊下を見に行ってもすぐに時間切れだろう。最初から上の廊下に行けるところまで行って牛の首のBCまでもどり15日も上の廊下を行けるところまで行って11時をリミットに帰ることにする。

14日
ゲートが開くのが7時だからそれに合わせて出発。
牛の首で登山道からはずれザクロ谷へ下降。それほどよくも見えないがゴルジュがきれているのはここくらいなのでここでテントを張ることにする。薪には事欠かない。
歩いてすぐにてまりの滝へ。ここは右岸をまく。最初トラロープが張ってあった、踏み跡は無い。トラロープが終わってからもう少し上がってトラバースし、てまりの滝ともう二つの滝をまいたところに出る。ここが早乙女谷との分岐でのどかなナメの風景である。この右手の沢がザクロ谷である。
入り口からすでにゴルジュが始まっている。最初の釜から深そうだがすぐに上がれそうにみえるので、N盛は右側をまいていたが私は釜にはいってみた。し、しかし、てきとーにかぶっていたヘルメットが頭を押さえる感じで深いし、小さい滝を上がろうとしても足がかりがまったくなく、あ、あがれん。恐怖を感じてもどる。ぷはー、、あ、しかもメットがかぶさってきた時に眼鏡がはじかれたみたいで眼鏡が無い!眼鏡なしで遡行するはめに!、、何やってんだ、わたしゃ。

最初の滝は上の枝をつかんでまき、すぐにくちなしの釜へ。
ここは記録ではヒールフックと書いてあるが、、最初にM本さんがトライ。次にN盛がトライ。最後に私(T野)がトライしてやっとヒールフックでなんとか上がる。
しかしヒミを垂らしてもなかなか上がれずヒモを結んで足で乗れるように細工して後続があがる。
次のハードルは泳いで1メートルの釜。左に残置のリングボルトが見える。ここにチョンボ棒をつかってテラスにあがるが、、リングボルトの跡の穴があるだけで行けそうではない。
ここからハンマー投げを試みるがうまくいかず、M本さんが泳いでトライするがなかなか。そこへN盛がオレが助ける!と飛び込み、ここもあーだこーだしてM本さんとN盛の協力ショルダーで突破!私はロープで引いてもらう。
次のハードルは巨大チョックストーンで左側は倒木が滝の中にあり登れそうなのだがこの倒木もつるつるで足場も手掛かりもない。滝の勢いもすごい。水流の無い右側を攻めることに。
N盛もが何度かハンマーを投げたらかかった!
ハンバーにつけたロープを手掛かりにN盛がなんとか登る。ロープがあっても足がなく優しくはない登り。
なんだかんだと時間を要し5時間かかってやっと25メートル4段の滝だろうというのが見えてきたが、ここでもう16時近かったので暗くならないうちにBCに戻るにはこの辺が潮時であろう。引き返す。
帰りに上るのが難しかった巨大CSに2段のアブミ残置。ヒールフックの釜にもアブミ残置した。
途中3mほどの滝を降りるときに使った残置ハーケンがN盛が降りた時はなんともなかったのが、M本さんが降りたら岩ごとふっとんでしまったが幸いけがはなかった。最後に降りた自分は滝の中の垂直クラックに打ってあった残置ハーケンを頼りにおりた。

てまりの滝をまいた巻道に入るがガスって視界が無くなりよく見えないので、傾斜のきついところを降りるのはやめて藪をこいで降りた。
17時過ぎにBCにもどりテントを張って焚火をする。
みんな寒がっていて焚火が本当にありがたい。
N盛の棒ラーメンをつくり、食す。うまーい!棒ラーメンまずいという人は多いがやつらの作り方がまずいのだ、うまく作れば棒ラーメンうまい。
22時前にテントに入って寝る。あまり寝れなかったがN盛はテントに入ったとたんに寝たらしい。


15日
6時ごろ起きてまた焚火の火をおこす。N盛はかなり疲れた様子である。昨日頑張っていたからなあ。
今日は17時半のゲート通過があるのであまり深入りはしないことにする。
昨日は陽射し強かったが今日はうって変わって寒い。
うだうだとして8時ごろ出発、またてまり滝をまき8時半ごろザクロ谷上の廊下で会い。
10時ごろ25m4段の滝。ここは右岸をまくことになっている。
たしかに残置のリングボルトが5メートル上部にある。壁はちょうど瑞浪屏風山のロンパールームに苔をかぶせ水をまいてヌラヌラさせた感じ。
フリクションで上がることになる。身長180㎝のM本さんにショルダーしてもらい130㎝のチョンボ棒で届くかやってみるがあと80㎝は遠い。次は3mのチョンボ棒を用意することにする。
10時半近くになったのでここで引き返すことにする。
帰りは寒くていやだが釜にドボンドボンして戻る。
水がない2段のアブミをつかって上ったところは残置シュリンゲでロープをつかって降りたがロープの回収が悪く、長いアクセサリーコード荷重500㎏耐久を残置して降りた。
また昨日M本さんが落ちた3mの滝は残置リングボルトをつかってN盛が降り、M本さんの体重がもっとも重いので、ハーケンを打ってバックアップ。このハーケンはそこそこ効いてるようだったので昨日ひとつ抜けてしまってるからこれは残置した。

てまりの滝を昨日と同様に巻き降りてBCに戻る。
BCに戻る手前なんでもないところで滑って岩に胸を強く打ちしばらく息ができなかった。
あーあばら2本くらいヒビ入ったかも。。何やってんだろうばかか。
BCに戻りまた焚火をおこして1時間ほど休み下山。
牛の首からザクロ谷には固定ロープがあるが、これなしでは降りれても上がれんだろう。
N盛とM本さんにあばら骨が痛くてついていけず少し遅れながら下山。
車についてグリーンパーク吉峰で汗を流す、というより冷えた体を温めた。あちこち痛く体を洗うこともままならない。
帰りはカシミールでがっつりとカレーを食べた。とてもおいしかった。チャイを飲んで生きてる幸せを味わう。
帰ってから深夜まで道具を洗って干す。

15日夜は肋骨の痛みで眠ることもできず16日やっと起き上がり、葛根湯とロキソニンを買って飲み、一日、次回必要なものが何か考えてみた。
3m超えのチョンボ棒を確保した。
必要なのは寒さ対策、今回何度か寒くて手が使えない経験をした。上がれそうなのにもうひと踏ん張りが手足がいうことをきかない。

5級の沢は北海道日高のソエ松沢岳直登沢以来。
手も足も出ないとはこういうことかという感じ。
ザクロはソエ松沢岳よりは近いし通えばなんとかなるのでは。
上の廊下だけでも全部上ってみたいなあ。