『剱岳-線の記』を読む

連休というのに山に行くモチベーションがダウン。
(ほとんどのテン場が予約制で、どこも一杯って。。。)
そこで、『剱岳-線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む』を読みました。


新田次郎の小説『点の記』で一躍有名になった、剱岳山頂に残された「錫杖の頭」と「剣」。
いつ、誰が、どこから剱岳の山頂に登ったのか?という山岳史上の謎に挑む。そして本書は、最終的に一つの回答に至る。
というもの。

しかし、最初に別山尾根ルートからの、カニのタテバイ、ヨコバイを検証する、というのは「それはダメだって」と言いたくなる。まあ確かに読者が剱岳に登った事がある人とは限らないので、読者視点としては正解なんだろう。
その後、長次郎谷ルートの検証に殆ど触れられないのは、残念。当時はアイゼン(鉤爪)が無かった事、途上に遺構が全く発見されていない事が、わずかに触れられているだけ。
そして著者は、もう一つのルートを初登ルートとして検証を進めていく。やや(かなり)強引な気もするが、ルートとしてはあり得る。

剱岳に登りに行って、本書に示された遺構を見に行きたいな、という気持ちになります。