槍ヶ岳 硫黄尾根

日にち:2022年4月22〜25日
山域:槍ヶ岳 硫黄尾根
メンバー:I垣、他1

4/22 晴れ
高瀬ダム〜湯俣山荘〜硫黄岳前衛峰P5降りたコル
高瀬ダムから林道スタート。たまに道が崩れたり意外に時間がかかる。湯俣山荘を通り過ぎて尾根取付きの吊り橋に着いたら水を追加で2L汲んで持ち上げることにしました。
最初は藪漕ぎで尾根に取付きます。
尾根に乗る最後が崩れてザレた急登で、重いザックに身体が振られ、もしかして今回の核心⁉︎と思うほどでした。
その後は薮と雪混じりの地味に辛い登りが続きます。2031mピークからはいよいよ硫黄岳前衛峰の始まり。標高が低いためブッシュも多い。抜けれそうなルートを探りながら登り、一回だけ懸垂をしました。硫黄岳まで行けたらよかったのだけど疲れてしまいP5〜6間でテント設営。雪のないところにテントを張れたので暖かく休めました。

4/23 曇り
泊地〜硫黄岳〜赤岳前衛峰P7?降りたコル
予報で昼から雨が降りそうだったから今日は半日停滞のつもりで出発。硫黄岳から雷鳥ルンゼ手前の2511mあたりで薄暗くガスってきました。一旦テンバを探してみますが、行けるとこまで行こうかと進んでいると青空が増えてきました。雷鳥ルンゼは予想以上にガレガレで怪しげな残置があり懸垂一回とバックステップで降りました。
雪を踏み抜いたり藪漕ぎしたり、脆い岩をそぉっと上がったりするうちに赤岳南峰に到着。
ここから今回の核心部となる赤岳前衛峰が始まります。この岩峰群も、さらに岩が脆く古くて落っこちた支点ばかり。かろうじて残っていた使えそうな残置、最近入ったらしき人の残置を使わせてもらい、だいたい湯俣側に巻いて時々懸垂しながら進みました。
視界は良かったのですが岩の処理一つ一つに時間がかかり集中力も途切れそう。
結局夕方まで行動でき、赤岳前衛峰P7と思われるピークから懸垂をして狭いコルの千丈沢側に雪を整地してテントを張りました。
北鎌尾根を月が照らす美しい夜でした。

4/24 晴れ一時小雨
泊地〜西鎌尾根(左又岳)
朝イチから核心部の終盤に取り付く。
岩が脆すぎて懸垂の支点が微妙だったので万全を期して赤岳を千丈沢側に大きく巻いてルンゼからコルに上がる。このコルが中山沢のコルかと思っていたけど地形図を見ると違うらしい。ここからは赤岳岩峰群が始まります。赤岳前衛峰に比べるとブッシュが増えて歩きやすくはなったかな?岩が脆いのは変わらず。ほぼ稜線上を歩きました。岩峰が終わった後の西鎌尾根までも意外に長い。お昼すぎにようやく西鎌尾根に合流。やっと終わった…。
携帯の電波が入るようになって天気を確認すると翌日の予報が素晴らしい。そして今はガスって小雨が降ってきたし、疲れも溜まってきていたので今日は早めにテントを張ります。
夕方になると晴れて先週登った笠ヶ岳も見えてきました。明日が楽しみだ!
4/25  晴れ
泊地〜槍ヶ岳〜横尾〜上高地
予報通りの快晴♪槍ヶ岳に向かってせっせと歩きます。長いし景色はいいしで、なかなか先に進めません。最後は小槍を見ながら直登し肩の小屋に到着。念のためロープだけ持って穂先へ。
やっと着いた〜。硫黄尾根が遠くになりました。
帰りのバスがあるのでここからは一生懸命、下山です。何とか最終バスに間に合いました。
さらに上高地からバスと電車とタクシーを乗り継いで車に戻ったのは22時。帰りもまた核心。

とにかく核心部が長く緊張感のあるルートがずっと続いた硫黄尾根でしたが、お天気にも恵まれ大きなトラブルも不安もなく抜けることができました。
昨年の地震で地形が多少変わった可能性があり、岩がさらに不安定になっていることも考えて岩に刺激を与えないよう、なるべく少ない懸垂でルート取りをしていきました。
最初、予報も良くなかったり、自分にはまだ早すぎたかと思ったりして当日まで不安な日々を過ごしました。本当に行けて、最初から最後まで、ずっと夢のような時間でした。
幸せな、幸せな時間でした。
本当にありがとうございました。