甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷右俣

日にち:2023年12月29~31日
山域:甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷右俣
メンバー:T原,H(OB)

初日、黒戸尾根を全装担いで登る。重い荷物で道のりが余計に長く感じる。しかし天気がよくて助かった。
五合目小屋跡に幕営。周りに雪は無く、谷に降りて氷を取りに行く。氷を解かした水は鍋底にザラザラと細かい砂が溜まった。夜も気温はそれほど下がらず、厳冬期用のシュラフでは暑いくらいだった。

二日目、6時に出発し五丈沢を降りる。(主に左岸の尾根を降りた)黄蓮谷に降り立ち少し遡上すると坊主の滝が現れる。既に1組取り付いていた。
今シーズン初アイス。Hがリードを名乗り出る。滝の一段目は50mいっぱい。2P目はT原。その後二又を予定通り右俣へ。前にいた2人組パーティーは左俣を登っていた。
以降ルートはほぼフリーで登る。しかし、しばらく上り後ろを振り向くと、噂通りミスしたら滑り台を大滑降となる(笑えない…)。緊張しながらミスの無いように登り続ける。標高差1200mのアイス。時間が気になりながらも、やはり数ヶ所ロープを出す場面も。途中から雪面に踏跡がありそれを辿る。しばらくして見上げると、奥の滝と思われる青氷が見えた。雪壁の踏跡を追って登っていたら、いつの間にか滝を巻いていたようだ。時間もないのでそのまま上り続ける。ラッセルもなく助かったが、高所のせいで息切れ切れで何度も立ち止まる。16時20分、日没ギリギリ明るいうちに山頂直下に出てホッとする。山頂を踏みヘッデンを点けて下山。T原が途中で具合が悪くなり、休み休み降りる。(シャリバテもしくは脱水)19時50分テントに到着。夜に目が覚めた時、サラサラと音がした。外に出ると雪が降っていた。

三日目、雨より雪のほうが良いが標高を下げると雨だろう。足裏に雪だんごが付き極めて歩きにくい。鎖場では鎖にすがり、少しの段差でも恐ごわ歩く。下りもあいかわらず重い荷物で、黒戸尾根が長い。

ありがたいことに大晦日でも麓の「尾白の湯」が開いていた。ぬるめのお湯にゆっくり浸かり体を温めることができた。

何年も前から行きたいと思っていた「氷の回廊」黄蓮谷。夏は「緑の回廊」ザクロ谷も遡行し、宿題がひとつひとつ片付いている。