【山行報告】医王山 三の坂往来~殿様道

山行日時:2018年4月21日(土)
山域:医王山
メンバー:N野

医王山の福光側に「殿様道」と呼ばれる道があることは以前から知っていたがさして関心を持っていなかった。
最近になってこれが私の住む村の裏山を走る三ノ坂往来と一体の道で、道沿いに西国三十三観音の石仏が安置されていることを知って急に興味がわいてきた。
昨年からルートや石仏の位置の調査を始め、まだ二体が見つけられていないが廃道部のブッシュがうるさくならないうちにと思い出かけた。

7時過ぎに出発。
登り口は団地造成のために消滅しているが道標が残っている。
尾根筋までは昨年手入れしたのに大雪のためにもう荒れた感じになっている。
二俣までは予定通りに到着。
時間に余裕があるなと油断して本泉寺で「蓮如さん」の準備をしていた地元の方に付近の地名を尋ねたり、旧道のそのまた旧道の入り口を探したりしているうちに徐々に遅れてくる。
富山県に入ると石仏に昨年はなかった観音名やご詠歌を記した木札が添えられている。

車で進入することをためらった所も綺麗に整備されている。
「殿様道を歩く」という冊子を出版した人達がその収益でやっているのだろう。
廃道部を探し出せば調査は実質的に終わる、雪が消えたら出かけようと文献調査を始めた矢先に冊子が発行されて悔しくてたまらないが、歴史的史料もきっちり調べ上げて脱帽するしかない仕事なので余計に気持ちの持って行き場がない。
十二番観音の横が廃道入り口だ。
昨年ここかなブッシュをのぞき込みながら福光の図書館からの帰りだったので踏み込まなかったのが悔やまれる。
3月の調査時には雪が消えたらブッシュがひどそうだと思ったが意外なほどすっきりと道が残っている。

13時45分予定より一時間以上遅れて朴坂峠の大休場着、遅い昼食をとる。
ここからは下り一方だが両足の脛がひきつりだす。
3月には五番観音の所に大きなイノシシの屍体があり、かすかな腐臭があるだけで身体は生存時と変わらなかったが今は肋骨と数個の背骨だけになっている。
頭蓋骨のないのが不思議だったが5,6メートル離れたところに転がっていた。

大きな頭部を食いちぎって運べる動物は何だろうと考えながら歩いて、先月見つけられなかった四番観音を捜すことを忘れていた事に気付き引き返す。
注意しながら下るが三番観音に着いてしまった。再度引き返し確か計曲線の辺りだったとGPSで見当をつけてようやく発見する。

結局終点の庄助塚に着いたのは15時40分だった。