三宅ルンゼ(赤頭山東面ルンゼ)

日にち:2023年2月12日
山域:三宅ルンゼ(赤頭山東面ルンゼ)
メンバー:K村、N盛、他1

三年前白川郷の国道から一際かっこよく見えるルンゼが見えた。「あれは三宅ルンゼだよ」と所属山岳会の方が教えてくれた。
実際は赤頭山東面ルンゼではあるが山岳会の重鎮三宅さんがソロで滑走したと言う事でその名が付いている(初滑走かは不明)。それから三宅ルンゼに行きたいと思っていたがなかなかパートナーにも合わず、雪のコンディションにも恵まれずに あっと言う間に時間だけが経っていた。 
そもそも三宅ルンゼは東面というかほぼ南面なので非常に難しくすぐに陽が当たってしまう。 
今年は残念ながら積雪が少なくあっと言う間にパウダー期間が終わってしまった。 何としても今年こそはという気持ちもありK村さんに最悪偵察で終わるかもしれないが行きましょうと声をかけた。 
6時に野谷橋からスタート。K村さんの同級生U住さんも来てくれた。雪はカチカチ、トレースもつかない。林道を進んでいくが予想以上の小雪でうまく進めないので、急斜面から尾根に乗り上げる選択、クトーをつけなければ転げ落ちてしまうほどの斜度を登る。初心者のU住さんには些か辛かったと思うし申し訳ない。
クトーを硬い雪面に効かせながら急斜面を登り切れば三宅ルンゼが姿を見せてくれた。 

予想以上に斜度が緩やかで滑りやすい気がした。しばらくして明るくなってきたらあっと言う間に雪が緩くなってくる。
ルンゼを登り右岸尾根に取り付くがなかなかのシャバシャバ雪で難儀した。 

尾根に登りきりピークを目指すもジャワジャワ雪の為ペースが上がらない。U住さんは途中、木を巻こうとするが難しく転んだり非常に苦しそうだった。
休憩も挟みつつピークを目指す。この尾根を選んだのはくるみ谷を観察する為もあった、こんなに綺麗にくるみ谷を見られる機会はない!肝心のくるみ谷というと・・・とほほ・・・、雪が全然ない。堰堤も丸見えです。 

開けた稜線に出るとあとはピークを目指すだけ。
K村さんが先頭を行くがU住さんは辛そうだ。
今日のハイライトとも言えるシーンは野谷荘司山が見えた瞬間だった。U住さんからすげーとの叫び声が白川に響き渡る。山スキー5回目ながらすごいモチベーション、沼に片足を踏み入れている。
6時間かけてピークに到着。白谷方面には多数のシュプールが描かれており、リアルタイムでどんどん滑走者が降りてくる。 

我々には関係ない。悪雪が確定している三宅ルンゼを安全に滑る事だけが必要なのだ。
K村さんとCTを行うが予想以上にしっかりしていたので雪崩リスクは低そうと判断、私のワガママでドロップ写真を撮ってもらう為最後に滑走させてもらう。
部分的に土が見えていた箇所を避けながらスティープラインを探しドロップ!めちゃくちゃ怖いが楽しい。
湿雪な上にデブリもあり、板が言う事を聞かないし弾かれそうになりながらも折角ならノンストップで滑りたいと思っていたから縦に縦に落としていく、、、なんて思っていたらギャップで転倒。転倒したが非常に満足、悪雪と思っていたが上部は気持ちよく滑る事が出来た。
中間部から下部にかけては修行の滑りになったが非常に満足した山行になった。
登山というか、山においてあまり拘りはない私が何故か三宅ルンゼをそこまで目指した理由は分からないが、悪雪が確定した山行に同行してくれたお二人に感謝したい。