米国 ヨセミテ国立公園 ハイシェラ 2


13日(水)
トラバースが長いルートを予定していたが予報が悪いので途中から帰れないルートなので中止しこのあとの日程について相談。もともと山行の主目的は北米最高峰(アラスカのぞき)のMt.WhitneyのEast Buttressを登ることで(同行者は当初そのように説明)そのために必要な3日間の入山許可を同行者は当選(2年前も当選したがコロナで行けなかった)。それがいつのまにか3日間の許可を現地でオンサイトトライと変わっていた。どうも同行者が必要な手続きを取らなかったため、許可がなくなっていたらしい。現地で初めて聞かされる。
登山許可をPushしにBishopのWinlderness Permission Office まで行ってみることにする。
Officeでキャンセル状況を調べてもらうとMt. Whitney East Buttress に3日入るのは絶望的。
それよりもCharlotte Dome, South Face これも3日必要(5.8,12P)(北米50選)のほうがあと1名分土曜日にキャンセルが出れば土日月の3日間入れるとわかる。キャンセルは直前まで出るので明日再度確認するようにいわれる(オンラインで確認はできるのだが郊外なのでほぼ圏外)。
Mt.Whitney portal とよばれる登山口キャンプの許可をとっていたのでとりあえずそこでキャンプしてEast Buttress登攀については諦め一般登山道を途中までハイキングし3時間ほどで引き返して、Charlotte Dome , South Faceの登山口へ向かう、という計画で準備しなおす。
ややこしいがキャンプ場の使用許可と入山許可は別々にとらないとならず連動はしていない。許可している主体は国立公園管理者だが支払いは全て別々で許可のいる登山をしようとすると必要な手続きのハードルがずいぶん高いと思う。Mt.Whitneyなどは登山者のための諸々の必要準備を説明したガイドが一冊の本として売られているくらいだ。

14日(木)
Mt. Whitneyに向かって移動。ローンパインのオフィスでMt Whitneyの登山手続き。日本でとっていたWhitney portal campgrounds 38$の予約メールをみせさらに翌1日のハイクのための入山許可も支払う。これが30ドルくらい?でたかだか一日のキャンプのため1万円くらい支払う。
Mt.Whitneyは日本の富士山みたいなのもので登山希望者が多い人気の山だ。1日に入山できるのは日帰り100人、宿泊するひと60人という規制がある。Mt.Whitneyは指輪物語にでてくるような景色で荘厳な美しさがある。あのバットレスに登れたらと壮大な景色を見ると行けなくなったことが初めて残念になる。カラコルムに行ったときギルギットからフンザあたりの眺めは美しくナルニア国のようだなとおもったがハイシェラの眺めは美しいが荒涼ともしていて峻険な山と山の間から落ちていく滝の筋をみるとナルニア国物語でもアーケン国とかトールキンの指輪物語の旅の仲間、なんかを思い出す。

15日(金)
昨夜はMt. Whitney のハイキングをする予定になっていたが同行者の提案で急遽Cardinal Pinnacle West Face  (10a, 4P)なら半日で終われるだろうと登りに行くことに。
ポータルをでて見晴らしの良い場所になると携帯がつながったため入山許可をとるページにアクセスすると、土日月の3日間シャーロットドームにむかう登山道に入れることがわかった。そのあともオフィスでややもめるも何とか土日月でシャーロットドームへむかう許可が取れた(結果よければ、ではあるがメンタルにつかれた)。
その足でCardinal Pinnacle West Faceに向かう。これはいわば基部へのアプローチが車道から30分と近く、ルートも迷う要素がなく2時間ほどで終了。かなりランナウトするが岩質は申し分ない。今回もっともスムーズに登れたルートだった。35mの懸垂を4回繰り返し地上にもどる。この懸垂のためわざわざ2日前にギアショップで70mロープのセール品を購入した。今回のマルチクライミングのためにドライの60mシングルロープも購入させられていた私はシングルロープ2本も買わされるのかと思ったが幸い同行者がこちらは買い取った。
毎回ほぼ35mの空中懸垂だったのでこのルートに70mは必須だった。

ちなみにこっちでダブルロープ使いは見ない。みんなシングルロープ、下りは傾斜の緩いところをクライムダウン(けっこう怖いところも)するのが一般的なようだ。アプローチでも4級くらいまではフリーだし。また皆さんザックは背負わず水とギアだけハーネスにつけて持ってきます、わたしたちしかザック背負ってるクライマーは見なかったな。